研修について
研修について
横浜市立大学附属病院病理診断科・病理部では、横浜市立大学病理専門研修プログラムに沿って研修を行います。横浜市立大学附属病院を基幹施設として横浜市立大学附属市民総合医療センター、神奈川県立がんセンター、神奈川県立こども医療センターならびに地域の中核病院(横浜、横須賀、湘南、神奈川西部、静岡東部)を専門研修連携施設として、3年間研修を行います。病理診断学には自己の診断を客観化する研究的な思考が求められます。加えて個別化医療に資するゲノム医療に対応しつつ、分子病理診断等の新しい診断学を身に着けようとする姿勢が求められます。本プログラムでは、専門医獲得までの時期をリサーチマインドの醸成とオールラウンドな診断学の礎を築くために良質な経験を積む重要な時期と位置付けて、病理専門医の育成、病理専門医資格の取得を目指します。これからは通常診療活動として、がんゲノム医療に貢献することも求められます。2020年度からは、がん研究会有明病院、2021年より国立がん研究センター中央病院ならびに国立がん研究センター東病院と相互に連携し、数多くのがんの症例が経験できるようにしています。
これまでの病理診断学とこれからの病理診断学をともに習得できるプログラムを用意しています。
研修プログラム
横浜市立大学附属病院を基幹施設とし、3年間の研修期間中に下記のいずれかの連携施設でも研修を行います。多くの専攻医は1年目に基幹施設から研修を始めることになりますが、いずれのコースにおいても、リサーチマインドの醸成を重視します。大学院での研究に従事しながら病理診断学を学ぶコースや、社会人大学院のコースも設けています。
連携施設は下記になります。
連携施設1群:常勤の病理専門指導医と豊富な症例を有し、専門性の高い施設(横浜市立大学附属市民総合医療センター、神奈川県立がんセンター、神奈川県立こども医療センター、東京女子医科大学病院、がん研有明病院、国立がん研究センター中央病院、国立がん研究センター東病院)
連携施設2群:常勤の病理専門指導医がいる地域の中核病院(横浜市立市民病院、横浜南共済病院、横浜市南部病院、横浜医療センター、横須賀共済病院、茅ヶ崎市立病院、藤沢市民病院、沼津市民病院、平塚共済病院、藤沢湘南台病院、横浜栄共済病院、けいゆう病院)
連携施設3群:病理指導医が常勤していない施設(神奈川県立循環器呼吸器病センター、神奈川県立足柄上病院、横浜保土ヶ谷中央病院)
パターン1(基幹施設、連携施設を合わせて3年間研修するプログラム)
基幹施設および連携施設で研修するコースです。1年目は原則として横浜市立大学附属病院で研修し、2年目あるいは3年目に市中病院で研修することにより、地域医療に貢献します。
当大学では病態病理学教室(旧第1病理)、分子病理学教室(旧第2病理)とともに合同で各種カンファレンスを行っております。大学ならではの専門性の高い疾患を経験し、多人数での議論を行いつつ、多角的に深く学ぶことができます。同時に、横浜市大医学部の2つの病理学教室と病理部のメンバーが全員参加する研究進捗発表会や抄読会を毎週行われ、それらに参加することによってリサーチマインドを意識した研修を行っていただきます。
なお、大学院博士課程への進学については随時受け入れており、その都度研修計画の修正を行います。
パターン2(大学院生として基幹施設を中心に研修するプログラム)
1年目より大学院博士課程に入学し、並行して病理診断科の研修を行うコースです。1年目は上記基幹病院でパターン1と同じ病理診断学に関する研修を行います。そして1年目の後期からは週1日の外勤を通じて、様々な疾患を経験します。
同時に横浜市立大学大学院医学研究科・医学部 分子病理学教室の大学院博士課程に入学して研究を行います。4年以内に学位取得を目指しつつ、パターン1と同様に病理専門医資格の取得を目指すためには相応の努力が求められます。令和3年度から後期研修を開始した4名のうち2名が本パターン2を選び、残りの2名はパターン1を選んでいます。
パターン3(社会人大学院に入学して研究を行いつつ、専門医資格の取得を目指すプログラム)
パターン1と同様に基幹施設、連携施設で専攻医(社会人)として働きながら、横浜市立大学大学院医学研究科・医学部 分子病理学教室の大学院博士課程に入学して、社会人大学院生として研究を行います。パターン2に比べて1日に割くことのできる研究時間が極めて少ないため、4年間での博士号取得には、本人の一層の努力が求められます。