ご挨拶
ご挨拶
藤井 誠志
横浜市立大学大学院医学研究科・医学部 分子病理学
主任教授
2020年2月1日付で横浜市立大学大学院医学研究科・医学部 分子病理学 主任教授を拝命いたしました。皆様にご挨拶をさせていただきます。
病理学は研究と診断の両輪からなり、分子生物学的な解析から病理形態の分子基盤が明らかにされ、病理組織学的な着想が分子生物学的なメカニズムの解明に結びつくと考えています。病理学研究は医療とともに発展しなければなりません。臨床医とともに解明、開発すべき問題を共有し、臨床において求められる病理学的な視点を活用する研究を推進する所存です。病理学の両輪のもうひとつの病理診断学には謙虚な研究的思考が必要であり、客観的な検証に耐え得るものなのかについて常に検証する姿勢が重要です。広く医療に対して科学的な裏付けを得るための研究的視野を持って診療を支えていきたいと考えております。
遺伝子検査パネルは既に普及し、リキッドバイオプシーが導入されつつあり、新しいがん医療の体系が構築されようとしている現状に鑑みると、次世代医療に資する学問であり続けなければならない病理学は重大な岐路に立っています。個別化医療が推進される現状では、臓器の特性と課題を理解し、且つ臓器横断的な視野を備えた病理学が求められます。
がんを直視する病理医がゲノム異常、病理形態像、分子基盤を統合的、俯瞰的に理解する次世代の病理学の潮流を意識しなければなりません。従来の病理形態学を基盤としつつ、“これからの病理学のか・た・ち”を皆様とともに創り出し、発信していきたいと考えております。皆様におかれましては、ご指導、ご鞭撻を賜りますようどうぞ宜しくお願い申し上げます。
略歴
1994年 広島大学医学部医学科 卒業(M.D.)
1998年 広島大学大学院医学系研究科
博士課程 修了;博士(医学)(Ph.D)
1998年 国立呉病院 臨床検査科病理 医員
1999年 広島大学医学部 病理学第二講座 助手
2001年~2004年
University of Texas, MD Anderson Cancer Center
研究留学(博士研究員)
2004年 広島大学 大学院医歯薬学総合研究科病理学研究室 助手
/広島赤十字・原爆病院 病理部 医員
2005年 国立がんセンター東病院 臨床開発センター
臨床腫瘍病理部 細胞動態室長
2010年 独立行政法人国立がん研究センター東病院 臨床開発センター
臨床腫瘍病理部 細胞動態室長
2012年 独立行政法人国立がん研究センター 先端医療開発センター
臨床腫瘍病理分野 ユニット長
2017年~2020年
国立大学法人東京医科歯科大学連携准教授
2018年 国立大学法人広島大学医学部連携准教授
2018年~現在
国立大学法人神戸大学大学院医学研究科 非常勤講師
2020年~現在
公立大学法人横浜市立大学学術医院学群大学院 医学研究科・医学部
分子病理学 主任教授
兼任)横浜市立大学附属病院 病理診断科部長・病理部長
沿革
1961年4月~1968年10月
初代 阪井敏治 教授
1970年9月~1975年4月
2代 畠山茂 教授 (東京医科歯科大学教授へ転出)
1976年3月~1997年3月
3代 三杉和章 教授 (初代病理部長兼任)
1998年8月~2016年11月
4代 青木一郎 教授 (1999年 4月~2001年 3月 病理部長兼任)
2020年2月~現在
5代 藤井誠志 教授 (2020年7月~病理診断科部長・病理部長兼任)
海外委員
WHO Classification of Tumours 5th Edition-Digestive System Tumour,2019.Author
WHO Classification of Tumours 5th Edition-Head and Neck Tumours,2021.Author
The International Collaboration on Cancer Reporting (ICCR), initiative (Esophageal Cancer)